葺き直し工事とは?施工の工程、メリット・デメリットを解説します!

葺き直し工事とは?施工の工程、メリット・デメリットを解説します! (2)

葺き直し(ふきなおし)工事とは、今ある屋根材を再利用して屋根を修理する工事のことです。

似た言葉で葺き替え(ふきかえ)工事がありますが、葺き替えは、今ある屋根材を全て撤去して新しい屋根にする工事のことです。

葺き替えよりも、元の屋根材を使う葺き直し工事の方が費用を抑えることができます。


今日はこの「葺き直し工事」について、工事を行うケースやその工程、メリット・デメリットについてまとめます。

目次

葺き直し工事を行うケースとは

葺き直し工事とは?施工の工程、メリット・デメリットを解説します! (2)

屋根工事には葺き直し工事の他、葺き替え工事、塗装工事などがあり、状況に応じて選択する必要があります。

では、葺き直し工事はどんなときに行うのでしょう。

実際に当社が葺き直し工事を行ったケースを紹介します。

雨漏りが起きた

屋根の瓦に問題はなくても、瓦の下の防水シートが劣化して雨漏りが起こるケースは非常に多くあります。

瓦の耐用年数よりも防水シートの耐用年数のほうが圧倒的に短いためです。

瓦を一旦外し、防水シートを新しく張って瓦を戻せば雨漏りが解消される場合は拭き直し工事を行います。

防水シートの耐用年数が近くなった

防水シートの耐用年数は約20~30年と言われています。

雨漏りなど気になる症状はなくても、防水シートを敷いてから寿命を過ぎた場合は防水シートを張り替えるために葺き直し工事を行うことをおすすめします。

雨漏りが起こってからだと思わぬトラブルに発展したり、大掛かりな工事が必要になることがあります。

そのため、防水シートの寿命が近づいたら葺き直し工事を検討しましょう。

瓦がズレた

台風や地震など、不可抗力の災害被害を受けたあとに調査をご依頼いただき、瓦がズレているケースがありました。

台風の豪雨や地震の振動によって瓦がズレるケースがあります。


また、瓦に使われている漆喰が劣化することにより瓦がズレている場合も瓦を一旦外し、葺き直す必要があります。

葺き直し工事の流れ

葺き直し工事とは?施工の工程、メリット・デメリットを解説します! (3)

では、葺き直し工事は具体的にどのような工程で行うのでしょう。

ここでは一般的な葺き直し工事の流れについて紹介します。


①足場の設置

作業員の安全確保や、近隣への配慮を目的に足場を設置します。

工事中はほこりなどの粉塵が飛散しないよう養生シートで足場を覆います。

特に古い建築方法でできている瓦屋根は、瓦の下に土が入っているので土埃が生じやすいです。

シートで建物を覆うことで、土埃などで周囲へ影響が出ないように配慮します。


②古い瓦を一時的に撤去する

瓦が割れたり欠けたりしないよう丁寧に取り外し、屋根から地上へ降ろして保管しておきます。


③漆喰・土の撤去と清掃

棟瓦に漆喰を用いている場合は、既存の漆喰を撤去して後でまた詰め直します。

また、古い建築方法では瓦の下に土を入れていますので、ここで土も取り除きます。

屋根全体があらわになったところで、きれいに清掃し屋根面を整えます。


④野地板の張り替えや増し張り

屋根材を固定させる下地である野地板は、雨水で腐食しがちです。

野地板で用いられている板材の素材にもよりますが、古い建築方法の場合、屋根にバラ板という素材が使われていることが多いです。

バラ板は雨漏りで腐食したとしても腐食部位は限定されますので、その部分だけを修繕する方法もあります。

瓦を外してみると野地板が傷んでいない場合もあり、その場合野地板交換は不要です。

反対に、瓦を外してみて新たに気がつく腐食部位もあります。


⑤防水シートの増し張り

次に新しい防水シートを張ります。

防水シートは隙間があると雨漏りにつながりますので、隙間なくきっちりと張る必要があります。

防水シートは、メーカーによって耐久性や遮熱性などに違いがあります。

雨漏りを起こさないために最も重要とも言える防水シートなので、当社ではグレードの高いものをおすすめしています。


⑥瓦を戻す

最初に外して保管していた瓦を屋根に戻します。

劣化で再利用できない瓦がある場合は、新たに発注した瓦と交換です。


⑦漆喰を詰め、番線を交換する

棟瓦に漆喰を用いている場合は、漆喰を詰め直します。

棟瓦を固定する番線は新しいものに交換します。


⑧ガイドライン工法の採用

2022年1月より、瓦の固定方法を強化することが義務付けられました。

瓦を全て釘打ちし、棟瓦はビス打ちをします。


⑨足場撤去、清掃

最後に足場を撤去し、周囲の清掃を行って工事終了です。

葺き直し工事のメリット3つ

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葺き直し工事を行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは葺き直し工事を行うことで得られるメリットについて代表的なものを3つ紹介します。

①葺き替え工事よりも費用を抑えることができる

古い屋根を総撤去し、屋根を新たに作り直すとなると費用がかさみます。

その点、葺き直し工事は今ある屋根材を再利用することが前提です。

傷みの程度によっては、再利用が難しく、部分的に新たに用意しなくてはいけない場合もあります。

そうなったとしても、葺き替え工事にかかる費用よりは圧倒的に安く済みます。

②外観が変わらない

葺き直し工事は今ある屋根を使うため、見た目は工事前後とほぼ変わりません。

外観を変えずに工事をしたい方、今の屋根に思い入れやこだわりがある方には特におすすめの施工方法です。

③耐震性が向上する

古い建築方法で作られた屋根は瓦の下に土が入っています。

現在の葺き直し工事では土を除去するため、屋根の重みが軽減し、建物にかかる負担が減ります。

葺き直し工事のデメリット2つ

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葺き直し工事にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

葺き直し工事のデメリットのうち、よく聞かれるものを2つ紹介します。

葺き直しができる瓦とできない瓦がある

瓦にはいろいろな種類があり、全ての瓦屋根が葺き直しの対象ではありません。

一般的に日本瓦と言われている素焼瓦、釉薬瓦と、天然石でできた天然スレートは耐用年数が長い瓦で、葺き直しできます。

一方で、防水性能の維持目的で定期的に塗り替えが必要なセメント瓦と、圧力に弱く変形しやすい金属瓦は葺き直しはできません。

葺き替え工事よりも時間がかかる

葺き直し工事は、再利用する瓦を壊さないように丁寧に屋根から降ろして保管します。

最終的にまた屋根に戻すという作業が不可欠のため、葺き替え工事よりも時間がかかります。

葺き替え工事は瓦を再利用しないので、瓦を保護しながらの作業は必要ありません。

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今回は屋根工事の1つ、葺き直し工事について紹介しました。

実際に、どのような屋根工事が必要かどうかは屋根の状態を見てみなければ分かりません。

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