重ね葺き工事(カバー工法)や葺き替え工事などの屋根工事では、ルーフィングを必ず張ります。
ルーフィングは防水シートのことで、お住まいの内部に雨水が入らないよう、守ってくれる重要な建材です。
そんなルーフィングには様々な種類があります。
本記事では、ルーフィングとはどんな建材なのか、どんな種類があるのか、選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
屋根工事をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。
ルーフィングとは
屋根工事で最も重要とされているのがルーフィング(防水シート)です。
屋根は大まかに言うと、一番上から屋根材→ルーフィング→下地(野地板)の順に重なっています。
屋根材にひび割れや欠けなどの不具合が起こっても、その下のルーフィングに不具合が起こっていなければ雨水が建物内部に侵入しない、二次防水の構造になっています。
お住まいの防水は、ルーフィングにかかっていると言っても過言ではありません。
中にはルーフィングをあまり大事に思っていない業者も存在します。
屋根を葺けば、その下のルーフィングは見えなくなるから「どうせわからないだろう」と手を抜くのです。
しかし、雨漏りを初めとした様々なトラブルから建物を守る存在なので、当社では慎重に選ばせていただいています。
ルーフィングの種類
ルーフィングには沢山の製品があり、グレードも様々です。
見積もりの際には業者から施工するルーフィング製品の案内がありますが、大切なお住まいにどんな材料が使われるか知っておくと安心ですよね。
アスファルトルーフィング
『アスファルト』という言葉が付いているように、主原料がアスファルトのルーフィングです。
現在、日本の住宅で最も用いられています。
アスファルトルーフィングはあまり耐久性は高くなく、価格も安めです。
コスト削減のために選ばれるケースが多いです。
アスファルトは融点が50度と低めで、屋根の温度が高くなる夏場はとても柔らかくなります。
反対に冬は温度が下がって硬くなり、柔軟性が失われます。
上記を繰り返して徐々に傷んでいくので、ひびや亀裂が起こり、防水性を失うので定期的に張り替えや増し張りが必要です。
耐用年数はお住まいの環境や使用する製品によって差があり、大体10~20年程です。
改質アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングよりも質が高いのが改質アスファルトルーフィングです。
ゴムや合成樹脂、ポリマー、プラスチックといった材料を混ぜ、耐久性を向上させました。
期待耐用年数もアスファルトルーフィングよりも長寿命です。
大体の製品が20年以上持ち、中には60年持つ製品もあります。
粘着層付き改質アスファルトルーフィング
粘着層付き改質アスファルトルーフィングは屋根カバー工法に適しています。
ルーフィングを施工する際、タッカーという大きなホチキスのような道具で留めていくのが基本です。
しかし、化粧スレートの屋根カバー工法の場合はタッカーが使用できません。
粘着層付改質アスファルトルーフィングは、片側が粘着シールになっています。
そのため、下の屋根材を傷めずにルーフィングが張ることが可能です。
密着性も高いので、防水性が高いのも特長です。
遮熱ルーフィング
遮熱効果のあるルーフィングは、屋根材とルーフィングとの間に隙間ができる場合に選ばれます。
表面が反射層になっていて、日光の熱を効率的に反射します。
高分子系ルーフィング
高分子系ルーフィングは陸屋根に多く採用されています。
主に合成ゴムや塩化ビニルを原料とした、アスファルトを使用していないルーフィングです。
アスファルトを使用していないことから、軽量なのでお住まいに負担があまりかかりません。
ルーフィングを選ぶ際のポイント
沢山種類のあるルーフィングですが、選び方により屋根工事が成功するかどうかが決まります。
ここでは、ルーフィング選びの3つのポイントをご紹介します。
屋根材との相性
ルーフィングは屋根材によって向いているものと不向きなものがあります。
例えば、スレート屋根やアスファルトシングルなど、下地(野地板)に空気層がない屋根には改質アスファルトルーフィングが向いています。
また、屋根材とルーフィングの間に隙間がない屋根は遮熱ルーフィングは不向きです。
どの屋根材がどのルーフィングに合っているかは、業者が選んでくれます。
耐久性
屋根工事の際は屋根材にフォーカスしがちです。
しかし、雨漏りなどのリスクを回避するルーフィングもとても大切な建材です。
屋根材に不具合が起こっても、ルーフィングが丈夫なら雨漏りのリスクは減るので、耐久性の高いものを選びましょう。
屋根材よりも寿命が長いルーフィングがおすすめです。
ルーフィングの耐久性が低いと早々に傷み、屋根工事が必要になる恐れがあります。
ルーフィングを施工するのはカバー工法、葺き替え工事、お住まいを新しく建てる時だけです。
あまり頻度は少ないので、施工の際には耐久性が高いルーフィングを施工してもらいましょう。
業者選び
ルーフィングは、屋根を葺いてしまえば見えなくなります。
見積もりの時点でどのルーフィングが使われるか、しっかり確認しておきましょう。
耐久性の低いルーフィングを張られると、早々に屋根工事が必要になる可能性があります。
また、悪質な業者だと、どうせわからないからと見積もりと違う、グレードの低いルーフィングを張るところもあります。
どの工事もそうですが、リフォームは業者選びが成功の最重要ポイントです。
説明がわからない、工事が雑、費用が相場より高いような業者も沢山あります。
優良業者なら予算内で質の高い工事をしてくれるでしょう。
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