大切なマイホームで安全に安心して暮らすには、屋根や外壁塗装の定期的なメンテナンスは欠かせません。
屋根、外壁塗装の目安は大体10年です。10年を目途にメンテナンスを検討しましょう。
しかし、見積もりの際に『これは塗装できない屋根(外壁)ですね。』と言われることがあります。
実際に、屋根や外壁には塗装できない、もしくは塗装に不向きな屋根や外壁が実在します。
知識のある塗装業者は、塗装ができない場合のメンテナンス方法を案内してくれますが、知識がない塗装業者の場合は、不適切な塗装の提案をされる場合があります。
不適切な塗装で失敗しないためにも、一通りの知識を確認しておきましょう。
この記事では塗装できない、もしくは塗装に不向きな屋根や外壁の種類と、塗装できない場合のメンテナンス方法をご紹介します。
塗装できない屋根の種類は?
住宅の中には、塗装できない屋根が多く存在します。その多くの屋根は、塗装をしてもすぐに剥がれたり、強度が保てなかったりと塗装しても意味がないものが多くあります。
日本瓦(陶器瓦)
日本瓦(陶器瓦)の屋根は、塗装が必要ありません。日本瓦(陶器瓦)自体の耐久年数は50年〜60年と言われており、耐火性や防水性に非常に優れています。
耐久性が非常に高いので塗膜でコーティングする必要はありません。色みを変えたいという理由で塗装することはありますが、補修目的で瓦を塗装することは基本的にありません。
塗装しても塗料が密着しないため、すぐに剥離してしまうからです。
しかし、日本瓦(陶器瓦)は寿命が長いですが、メンテナンスフリーではないのでご注意を。
劣化により下記のような症状が起こります。
割れ
地震や台風等の、自然災害による強い衝撃によって起こる可能性があります。割れを放置すると雨漏りに繋がる為、放置は危険です
ずれ
地震や台風等の、自然災害による強い衝撃によって起こる可能性があります。瓦がずれてしまうと落下の可能性に繋がり、非常に危険です。ずれた場所から雨漏りにも繋がる可能性があります。
漆喰の剥がれ
漆喰とは瓦と『棟(とう)』を固定するために塗り込んでいる石灰が主成分の建築材料のことです。
漆喰は瓦の固定や水の侵入を防ぐ役割があります。経年劣化が進んだ漆喰はヒビが入り、雨漏りや瓦の剥落に繋がる可能性が出てきます。漆喰の補修は10〜20年に一度必要です。
20年以上経過すると、下葺き(したぶき)材と呼ばれる防水シートも寿命が過ぎていますので、瓦の葺きなおしをして、下葺き材を新しいものに葺きなおす工程が必要となってきます。
日本瓦(陶器瓦)のメンテナンス方法としては下記の方法で対応します。
- 瓦のひび割れ、ずれ補修
- 漆喰の補修
- 下葺き材の交換
- 防水シートの交換
- 野地板の交換
パミール(ノンアスベスト製品の屋根)
アスベストとは、別名石綿と呼ばれる強度の強い優秀な建材で、主に昔の屋根に使われていました。
しかしアスベストは発がん性物質が含まれていることが判明し、使用を規制されるようになったのです。
そして2000年前後から、アスベストを含まないノンアスベストの屋根が作られるようになりました。
ところが、アスベストを抜いた分、強度が保てなくなってしまい、ノンアスベストに切り替えた当初の屋根は、強度が非常に弱い物になってしまったのです。
2000年前後に作られた代表的なノンアスベスト製品である「パミール」は、1996年から2008年にニチハ株式会社により製造されました。
強度が弱く、施工10年程でひび割れや剥がれなどの不具合が見つかり、当時はテレビや新聞でも取り上げられ、話題となりました。
パミールの屋根は、経年劣化が進むにつれ、ミルフィーユ状にパリパリと剥がれ落ちてしまいます。
メンテナンスとして屋根に塗装を施しても、屋根材そのものが割れて剥がれてしまうため、塗装による強化は望めません。
1996年から2008年に建てられた家はパミールが使用されている可能性がありますので、図面等で確認することをおすすめします。
ご自宅の屋根がパミールかどうか分からない場合は、当社にご相談いただければ、屋根を拝見することで判別できますので、お気軽にお問い合わせください。
また、パミール以外にも2000年前後に作られたノンアスベスト製品があります。パミール同様、塗装しても強化が得られないため、メンテナンス時はご注意ください。
2000年前後に作られたノンアスベスト製品
- パミール
- レサス
- シルバス
- アーバニーグラッサ
- コロニアルNEO
- ザルフグラッサ
- セキスイかわらU
塗装出来ない屋根のメンテナンス方法は?
屋根塗装ができない場合のメンテナンス方法は大きく分けると2つになります。
①葺き替え
葺き替えとは屋根を丸ごと交換する方法です。
屋根材の中にある下地も補修、交換するので、雨漏りを起こしていたときや、下地が劣化している時に行なう方法です。
②カバー工法(重ね葺き)
カバー工法は元々ある屋根の上に新しい屋根材を重ねる方法です。
屋根材の撤去をしないため、葺き替えより安くなります。しかし、すでに雨漏りしてしまっている場合や下地まで傷んでいる場合は、カバー工法はできません。
塗装メンテナンスが必要な瓦
日本瓦(陶器瓦)は塗装する必要がないとお伝えしましたが、瓦は全て塗装が必要でない訳ではありません。
セメント瓦、モニエル瓦は、塗装によるメンテナンスが必要になってきます。
セメント瓦、モニエル瓦とは?
セメント瓦、モニエル瓦の主成分はセメントであり、主成分であるセメントを塗膜で保護して作られています。年月が経過し、塗膜が薄くなると、水が浸み込み、セメントの主成分であるカルシウムが溶け出す為、内部の強度が下がり、割れや欠けの原因に繋がります。
そのため、定期的に塗装によるメンテナンスが必要となります。メンテナンスの目安は10年に1度が理想的です。
セメント瓦、モニエル瓦のメンテナンス方法は?
セメント瓦のメンテナンス方法は、セメント瓦対応の屋根塗装用の塗料があるので、専用塗料で施工すれば問題ありません。
一方モニエル瓦は、表面にスラリー層と呼ばれる層があります。スラリー層は塗料の付着を妨げてしまうため、モニエル瓦を塗装する際は、先に高圧洗浄機でスラリー層をしっかり落とす必要があります。
その後、スラリー強化プライマーという専用の下塗り材で、しっかりと塗装の下地を作った上で塗装をするため、沢山の工程が必要になります。
現在モニエル瓦は製造しているところが少なく、塗装をご検討の際は、新しい屋根に変更するなども併せてご検討ください。他の屋根材にすることによって先々のメンテナンスコストを抑えることが可能です。
塗装ができない外壁の種類と状態
外壁メンテナンスのタイミングは10年に一度くらいがベストですが、立地や天候に寄ってもダメージの進行状況は変わってきます。
外壁を触った時に白い粉が付いたり、ひび割れや剥がれを発見したら塗装が必要な時期でしょう。
外壁塗装も場合によっては塗装ができない場合があります。
ジョリパット
外壁で有名なジョリパットは、アイカ工業が製造販売する外壁用のモルタル塗料です。
表面に模様や立体感をつけられるのが特徴で、おしゃれな外壁材としてトレンドをつくってきました。
しかしジョリパットはおしゃれな外壁材ではありますが、汚れが着きやすいというデメリットがあります。
凸凹のついたデザインのため、埃や土汚れなど、どうしても汚れが溜まりやすく、黒ずみが発生してしまうのです。
ジョリパットは吸水性が高く、壁自体が呼吸をしています。気密性の低い塗料で外壁塗装すると膨れを発生させ、早期剥離が起きかねません。
ジョリパットの外壁塗装をするときには、必ず透湿性の高い塗料を選びましょう。
もちろん、当社でご提案の際は、それを踏まえたうえで適切な塗料をご提案させていただきます。
痛みが激しい外壁
痛みの激しい外壁も塗装ができません。
このような外壁は塗装をしても防水性能が充分に機能しません。
水分が入り込んでいない場合はカバー工法という新しい外壁材をかぶせる方法で対応できますが、下地の内側まで水分が入り込んでいる場合は外壁を取り払い新しい壁材に張り替える必要があります。
塗料選びに注意が必要な外壁材も?
サイディング
現在の日本で、もっとも多く使用されている外壁材にサイディングがあります。サイディングの工法には『直貼り工法』と『通気工法』の2種類があります。
直貼り工法は1990年代に注目された工法です。防水シートの上からサイディングを直貼りするだけのため、工程数が少なく工期やコスト面でもメリットが多いと注目されました。
しかし、直貼りしているだけなので、外壁内部に湿気が溜まりやすく、結露によって住宅構造が劣化しやすいというデメリットが発生してしまいます。
内部にこもった湿気は、サイディング材から外に出てきますが、この時に、気密性の低い塗料を使用すると膨れが発生し、早期剥離が起きる可能性があるのです。
直貼り工法のサイディングのメンテナンスには、透湿性の高い塗料を使いましょう。
2000年以降には直貼り工法のデメリットを解消した通気工法が登場。
通気工法では防水シートとサイディング外壁の間に通気胴縁と呼ばれる木材を挟み通気を良くしました。
ご自宅が、直貼りかどうか、当社でお調べできますので、お気軽にご相談ください!
外壁、屋根のメンテナンスは信頼できる塗装業者へ相談しましょう
大切なマイホームで快適に暮らすために、屋根や外壁の定期的なメンテナンスは欠かせません。
不適切な塗装にならないよう、知識のある塗装業者に依頼をしましょう。
また、自分でもある程度の基礎知識を付けてから、塗装業者選びをすると更に安心です。
塗装業者の選び方はこちらの記事で紹介しておりますので、参考にしてみてください。
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